自動運転のレベル5はいつから利用できるのか? 元ホンダ技術者の警鐘【書評】

最近、日本の○○市で公道での実証実験が始まったといったというようなニュースを耳にするようになってきました。

世界各国で自動運転技術の開発が盛んにおこなわれており、AppleやGoogleといった今まで自動車の開発を行っていなかった企業も参戦しています。

すでに、日本ではスバルのアイサイトや、日産のプロパイロット、ホンダのホンダセンシングなど、自動運転のレベル2まではおなじみの技術です。

最近発売された日産のスカイラインでは、高速道路で手放し運転ができると言われていますが、レベル2とレベル3の間ということになっているようです。
(手放しできるならレベル3のような気もしますが…)

気になるのはその先。
レベル3、レベル4、レベル5はいつ実現できるのか?ということではないでしょうか。

本書では、自動運転の歴史から始まり、AIについて、法整備、各国の状況などがまとめられています。

主に、自動運転の研究開発を行う技術者に向けた内容ですが、私のような一般人でも自動運転に関する課題等が分かる本になっています。

Amazonのレビューでは、5(2019年11月2日現在)です。
比較的新しい本で、専門的な内容が多いので評価の数はまだ少ないです。

自動運転の技術開発Amazonレビュー画像引用:Amazonのレビュー

レベル3で十分

レベル2の自動運転では、ハンドルから手を離すと警告が鳴り、運転支援機能は停止されます。
基本的には運転を「支援」するという機能になっています。

この先、レベル3が実現したらどうなるでしょうか?
(実際にはAudiのA8で実現できていますが、無効化されているようです)

高速道路等の限られた道路で、ドライバーは何も操作する必要がなくなります。
日産の新型スカイラインのように、手放しができるわけです。

では、レベル3になったら、ドライバーは運転中にスマホをいじったり、映画をみたりしていられるでしょうか?
高速道路の運転がレベル2にくらべて大幅にラクになるでしょうか?

結局は、事故を起こした時の責任はドライバーにある限り、常に操作ができるようにしておかなければいけません。
「運転の疲労軽減」という面では、筆者が指摘しているように、すでにレベル2でかなりの部分を実現できており、レベル3、4でもあまり改善は見込めないでしょう。

期待されているような効果は出ない

自動運転システムの開発を推進する上で、目的の一つとして挙げられているのが
交通事故をなくす
ということです。

一般の方でも、自動運転が広まれば交通事故がなくなると思っている方もいるでしょう。

しかし、これは現実的ではありません。

全ての車が自動運転になって、一台も人間が運転する車がなくなれば限りなく事故が減るかもしれません。
高速道路に自動運転車専用レーンを作ったり、自動運転車が走る一般道には、人間は一切立ち入り禁止にするという方法も考えられます…。

ですが、このようなことができない、またはできたとしても我々が生きている間には難しいと思います。

物流面においても自動運転の効果は期待されています。

例えば、隊列を組んで複数台のトラックを走らせることで、ドライバーの人数が削減できる
というもの。

しかし、筆者が指摘しているように、
・一般道はドライバーが運転する必要がある。
・高速に入った後に隊列を組むためのスペースが必要。
・不要になったドライバーが変えるための交通手段が別途必要。
と、課題が残ります。

現在は、「自動運転」を実現するというシーズ先行の開発となっており、なぜ自動運転が必要なのか、なんのために必要なのかという部分が確かに置き去りにされているような気がします。

ラストマイルの自動運転が効果的

自動運転の効果的な活用方法として挙げられているのが、
買い物難民になっているような、地方の高齢者向けの交通手段です。

近年、高齢者ドライバーのペダル踏み間違えによる事故が話題になっています。

高齢者が無理して運転しなくてもよい環境になれば、事故は減ります。
また、外出する機会が多くなれば、認知症の予防にも効果的です。

確かに、自動運転が実現できれば、解決できる問題も多いですね。
有効的な利用法だと思います。

まとめ

私としては、運転することによる事故を起こすリスクや、自動車保有のコストを考えると、早くレベル5の自動運転が普及し、地方でも安価で便利な交通手段となることを期待しています。

自動運転の明るい未来の話が多いのかとおもいきや、意外とレベル5の早期実現には否定的でした。

雑誌やムック形式の本でよくある、いいところや成功事例ばかりを取り上げている本ではありません。

現在の自動運転ブームに警鐘を鳴らし、進むべき道を示す、
実際に研究に携わった著者だからこそ書ける本だと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

現金チャージで最大2.5%ポイントもらえる
今すぐAmazonでチャージする!
現金チャージで最大2.5%ポイントもらえる
今すぐAmazonでチャージする!